トレイルランナーの皆さん、ごみ拾いをしながらトレイルを走ったことはありますか?
トレイルランナーの方々は、自宅近くの決まった里山の決まったコースを走っているのではないでしょうか。
そしてそれはトレーニングを目的とし、ストイックに、あるいは森を走る爽快感を感じるために行っていると思います。
ここではそれらの目的を犠牲にせず、ごみ拾いも一緒にしてしまおうという、”ごみ拾いトレラン”をご紹介します。
トレーニングだけを目的にしてトレランをするより、ごみ拾いも兼ねた方が、良い事がたくさんあります。
まず第1に「トレーニングをサボらなくなる」ことです。
トレーニングを目的に山に行こうと思うと、「辛い」「苦しい」「面倒」など、様々なマイナス要素が思い浮かんでしまい、ついサボりたくなってしまいます。
ところがごみ拾いも兼ねると「自分が行かなきゃ山が汚れてしまう。だから行かなきゃ」と思うようになるので、サボるわけにはいかなくなるのです。
つまりごみ拾いトレランが習慣になると、山へ行く事に対して社会的責任を感じるようになるのです。
また、ごみ拾いをしながら走ると、案外飽きないし疲れもあまり意識しなくなるので、辛いトレランも案外時間が経つのが早く思えます。
ごみ拾いトレランは、自分のようなトレーニング嫌いの方にはうってつけの方法だと思います。
第2に、自分で自分を好きになってきます。
ごみ拾いトレランをしていると、「自分のやっている事は、皆のためになる良い事なんだ」と思えてきます。
トレーニングは自分のためだけの”自己満足”に過ぎませんが、ごみ拾いは登山者やそこに住む動物や植物のためになります。
ごみ拾いトレランが習慣になってくると、「自分は良い行いをしているんだ」という気になれ、なんだか自分が誇らしく、善良でカッコいい人間に思えてきます。
第3に、家族の道徳教育になります。
山へ行くのに「トレーニングしてきま〜す」と家族に告げて家を出るのではなく「山を掃除してくる。行かないと山が汚れるからね!」と家族に告げて行けます。
これは家族の道徳教育にも良いですし、家族から尊敬されることにも繋がるでしょう。
それでは、ごみ拾いトレランはいったいどんな風にやるのでしょうか?
まずごみを入れるビニール袋が必要です。コンビニやスーパーでもらう小さめのビニール袋が良いです。
ホームセンターで100袋入りで200円程度で購入することもできます。
これを片手に持ってトレイルを走り、ごみを見つけたら立ち止まって拾い、ごみ袋に入れてすぐに走り出すだけです。
簡単ですね。
こんな簡単なごみ拾いトレランですが、大切なポイントがあります。
ポイント1:ごみ拾いを”大幅に妥協”すること。
ごみ拾いトレランで最も大切なことは、トレラン本来の目的を犠牲にしないでごみ拾いを行うことです。
クソ真面目にごみを探し、見つけたごみを全部拾っていてはトレランが犠牲になってしまいますから、クソ真面目にやらないことがコツです。
トレーニング効果やまわりの景色を見たりトレイルを駆け抜ける爽快感を犠牲にしたら、本末転倒です。
従って、走っているときは積極的にごみを探しながら走る事はしない。
ごみ拾いなどまったく意識しないで普段通りに走り、”たまたま目に付いた”ごみだけを拾えば良いのです。
ポイント2:ごみ袋は持って走る。
ごみ袋をポケットに入れて走らないほうが良いです。ポケットに入れてしまうと、ごみ拾いが潜在意識からも消えてしまい、まったくごみ拾いをせずに終わってしまいます。
持って走れば、ごみ拾いのことなど忘れていても潜在意識には残っているようで、たまたまごみが目に付くと、ごみ拾いのことを思い出し、ついつい拾ってしまいます。
ごみ袋を持って走ると手の振りが小さくなってしまうので、ランニングフォームに影響がないように持ち方を工夫するとよいでしょう。
どうしても手の振りが小さくなってしまう場合は、ウエストポーチにゴミ袋を入れて普通にトレランし、ラスト300mだけクールダウンを兼ねてごみ拾いトレランする、というのも良いです。
あるいは、短パンやジャージのポケットに、ごみ袋を洗濯ばさみなどを活用して固定しても良いかもしれません。
ポイント3:ごみ拾いをしていることを登山者にアピールできるように走る。
登山者のそばでは、ごみ袋をわざとブラブラさせて走ります。
袋全体を掴んで走ったほうが固定されて走りやすいのですが、登山者のそばではそうしません。
ブラブラさせるとガサガサと音が鳴ります。そうすると大抵の登山者はそれを見て「ゴミ拾いをしてるんだな」と気づいてくれます。
そして登山者を追い抜く時は特に注意してごみを探し、見つけたら目の前でさっと拾ってごみ袋に入れ、また風のように走り抜けるのです。
こうすると結構カッコいいです。バテバテ・ヘロヘロな状態であっても涼しい顔で走りぬけるのがミソです。
これに「先手の挨拶」をしていれば鬼に金棒です。
先手の挨拶とは、登山者より先に「こんにちは」と挨拶することです。
先手で挨拶するには少し遠くから挨拶することが大切です。登山者はまわりの気配に敏感になっているため、耳もトレイルランナーより敏感になっています。
静かな人の少ない山ではなおさらです。
ですから案外遠くから挨拶しても大丈夫で、逆に近くで挨拶するとびっくりさせてしまうことになります。
行きかう登山者やハイカーに「先手の挨拶」と「ごみ拾い」のダブルパンチを見舞えば、迷惑に思われがちなトレイルランナーに対する見識は一瞬にして”尊敬”に変わるでしょう。
ポイント4:心拍計を装着する。
ごみを拾う行為は一瞬立ち止まるのでトレーニング的には一瞬”休む”ことになります。
疲れてくるとこの一瞬の休みをとりたくてごみを積極的に探してしまい、トレーニング負荷が下がってきてしまいます。
これを防止するために、心拍計付きの腕時計を装着し、心拍が設定値未満になったらアラームを鳴らすようにすると、一定レベルのトレーニング負荷をかけながらごみ拾いトレランをすることができます。
ポイント5:大きなゴミや重いゴミは、とりあえず無視する。
大きなゴミや重いゴミは、拾うと走るのに邪魔になるので、復路で拾うか無視します。
ポイント1で述べましたが、トレランの目的や楽しみを犠牲にするようなことは、あっさり切り捨てることも大切です。
軽く走る日などをごみ拾い優先日として設けて、大きなゴミを回収しながらゆっくり走るのもよいでしょう。
でもはじめからそんなに
ごみ拾いを堅苦しく考えたり真面目に取り組む必要などありません。まずは始めてみること、そして続けることが大切です。
一度始めてみて、自分の中でトレランを犠牲にしないでごみ拾いを続けられるトレーニングスタイル、言い換えれば、
”トレランしながらごみ拾いするには、ごみ拾いをどれだけいい加減にやればよいか?”を実践しながら探っていくことが大切だと思います。
ごみ拾いトレイルランニング、いかがでしょうか?
トレイルランナーの皆さん、一度ごみ袋を持ってトレイルを走ってみませんか?
(2008年 1月 えっくすライダー)