1.1 分かりやすい料理のレシピ
男性が作る料理の定番といえば、カレーです。(密かな自慢ですが?)、私もカレーは作ることができます。肉、ジャガイモ、たまねぎやにんじんを使った標準のカレーや野菜を主体にした夏向きのカレー、大豆を使った豆カレーなど、いろいろなカレーを楽しんでいます。家族も、(仕方なく?)美味しいとほめてくれます。
では、なぜ私のような会社人間だった男性が、料理らしきものを作れるのでしょう。それは、料理レシピのおかげだと思っています。以前は、クッキング用の本(我が家では、主婦の友社『カラークッキング』シリーズを愛用しています)、新聞や雑誌などの特集記事から料理のレシピを入手していました。今は、ウエブから簡単に料理のレシピを探すことができます。料理の種類も豊富で、私程度の腕なら、ウエブに掲載されているレシピで、充分間に合います。
本のレシピもウエブのレシピもほぼ同じ形式、内容であり、次のようなものです(S&Bカレー.comにあったカレーのレシピより)。
【材料】(5皿分)
あまり悩むこともなく、材料をレシピに従って用意し、作り方の手順に従って調理すれば大きな失敗はしません、また、調理時間は、自分の手に負える料理かどうかの判断材料になりますし、栄養価はメタボ対策に有用な情報です。
料理レシピは理想的なマニュアルだと思うのは、私だけでしょうか。
1.2 レシピが分かりやすいわけ
パーソナル・コンピュータ、FAX、ビデオ・レコーダなどいろいろな機器の取り扱い説明書が分かり難いことが問題になり、メーカでは取り扱い説明書(マニュアル)の改善に力を入れ、大分良くなってきたようです。でも、何か問題が起こり、慌てて説明書を読むような事態になると、分かりにくいなあと感じることがあります。
では、なぜ料理のレシピが分かりやすいのか、考えてみたいと思います。
(1)レシピの統語体
料理の本やウエブ上の料理レシピも、同じように構成されています。料理レシピの基本的な構成は次のようなものです。
どの料理レシピを見ても、この構成は変わりません。つまり、テクストの構造つまり統語体は、ほぼ確立されていると言えます。この安定性が、料理のレシピを安心して使えるものしていると思います。
(2)レシピの様相
料理のレシピは、言葉や写真などの記号の複合体つまりテクストです。記号は、それが意味また指示しているもの自体ではありません。つまり、表現であり、現実世界に存在するもの(実質)から分離しています。そのため、その確からしさを示す様相が問題になってきます。
記号またはテクストの作成者の意図が充分に伝われば、その記号の様相は高いといえます。正確また精密に表現することは、必ずしも様相が高いとは言えません。
料理のレシピの統語だの様相だのと、仰々しい用語を使ってきましたが、これから取り扱い説明書やいろいろな説明書が備えるべき必要条件の一部が見えてきます。
さて、あなたの周りにある取り扱い説明書、マニュアルはいかがでしょうか?
(2009年2月9日)