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        記号と情報

        田沼正也

           

         私は会社に在籍しているときは、制御システムやいろいろな装置やプラントの動特性シミュレーションを専門とし、いろいろなプログラムの開発を個人でまたチームで行ってきました。その過程で、計算アルゴリズム、データ・ベースやソリッド・モデラーなどを勉強し、一応、情報工学の周辺を回遊しているつもりでした。しかし、新聞や雑誌で気軽に使われている情報という言葉見ると、情報工学や情報科学で使われている情報と同じものだろうかという疑問を持つようになりました。そこで「情報学」の分野の本を読んでみたところ、「情報は秩序である」という定義があり、ますます分からなくなりました。
         たまたま、ウエブ上で赤木昭夫『反情報論』の書評を見つけ、興味を引かれ読んでみました。『反情報論』では、これまでいろいろな分野の学者によって提示されたさまざまな情報概念つまり「情報とはなにか」を、3つの情報(シンタックス・インフォメーション、セマンティック・インフォメーション、メタファー・インフォメーション)に整理し、見通しの良い方向付けを行っています。また、情報論の今後の課題として、記号論とコミュニケーション論からの接近を挙げています。これに刺激を受け、<記号と情報>について検討してみることにしました。
        。  この報告の第1章〜第3章では、情報概念について記号論の視点から検討していますが、これについては情報システム学会の芳賀正憲氏に議論していただき、貴重な示唆を得ることができました。ありがとうございました。
                                       (2010年1月)

        情報時代の扉をを開いた3人、アラン・チューリング、ジョン・フォン・ノイマン、クロウド・シャノン

           
                            <目 次> 

            1.<記号と情報:その1>潜水服は(情報の海で)蝶の夢を見る
            2.<記号と情報:その2>情報を3階層モデルで表現してみます
            3.<記号と情報:その3>情報は記号です:情報の3つのモデル
            4.<記号と情報:その4>情報は蝶のように浮遊する
            5.<記号と情報:その5、意味情報(1)>意味情報は魚群探査機に映った魚影です
            6.<記号と情報:その6、意味情報(2)>意味情報は怪人二十面相?
            7.<記号と情報:その7、意味情報(3)>情報空間、それは我々のもう一つの世界
            8.<記号と情報:その8、意味情報(4)>我々はどんな情報空間に住んでいるのか
            9.<記号と情報:その9、統語情報(1)>デジタル情報(【統語情報】)の力はどこからでてくるか
            10.<記号と情報:その10、統語情報(2)>デジタル情報(【統語情報】)の力はなにを創発させたか
            10.<記号と情報:その11、比喩情報(1)>分子生物学の入門書は比喩にみちている