新桜花市

 人口10万人。政府の『先進ネットワーク研究実験都市建設プロジェクト』によって建設された近未来モデル都市で、都市運営に情報ネットワークシステム『ディジタルウェブ』とハイパーコンピュータ『マザー』を本格導入したことで知られています。
 交通、インフラなど都市運営に関するあらゆる情報は、街じゅうに張り巡らされたディジタルウェブ回線を通じてマイクロエレクトロニクスグループ社製のハイパーバイオコンピュータ『マザー』に送られ、それをもとに統合的な運営計画が立案されます。また、実際の都市運営にもマザーとディジタルウェブが導入されており、効率化・省力化がはかられています。また、それらの情報は携帯電話サイズの端末で容易に引き出すことができ、一般の市民でも簡単に利用する事が出来ます。実際、新桜花市は住民がウェブ端末を持っているということを前提として計画・建設されているのです(これは、新桜花市がMeグループ社の事実上の企業城下町であることも関係しています。Meグループ社の従業員はウェブ端末の常時携帯が義務付けられており、出退社時刻の管理などすべてウェブで行っているのです)。ウェブ端末が無くとも生活できない事はありませんが、かなりの不便を覚悟せねばならないでしょう。

 

北町と南町

 新桜花市は、東西に流れる桜花川を境に北町と南町で大きく様子が変わります。
 北町はJR新桜花駅を中心とした活気溢れる庶民の街です。新桜花駅前には現在ではあまり見られなくなった駅前商店街があり、北町の多くの住人が利用しています。住民も新桜花市が建設される前からこの場所に住んでいた人が多く、全体的にレトロな下町の雰囲気を残しているといえるでしょう。澤井愛の勤め先である「月刊チェリーブロッサム」の編集部は北町にあります。
 それに対し南町はは新桜花ニュータウンを始めとする住宅が並び、閑静なイメージがあります。市役所などの公共施設も南町に集中しています。そしてなにより、この街を創り上げたMeグループ日本支社の社屋が南町にあるのです。
 ニュータウンの住民の多くは、新桜花市建設のためにこの地にやってきたMeグループ及び関連企業の人間が大半を占めています。その為、旧来の北町住民と新参者の南町住民の間にはちょっとした溝ができています。 
 

行政

 新桜花市の行政システムは他の自治体と変わりません。選挙で選出された議員で構成される市議会が行政を執り行います。現在の市長は門間三郎。一見するとお人よしで政治家には向かないような人物ですが、研究モデル都市という斬新な都市の行政を手際よくこなしています。
 なお、都市の建設や運営に深く関わっているMeグループ社も、さすがに行政にまでは口出ししてこないようです。でも、それはあくまで表向きの話であり、新桜花市の本当の市長はMe社の葛原日本支社社長なのだ、という噂は絶えた事がありませんが…

 

交通

 新桜花市の主要な交通機関は「路面電車」です。低公害性・低運用コストに加え、Meグループ社の最新技術の導入により高度に自動化された路面電車は、次世代の都市交通システムとして期待されています。電車の運行はマザーとディジタルウェブによって行われ、市内を循環する「環状線」と、新桜花駅とMeグループ社を直通でつなぐ通称「Me線」、そこから分岐した無数の支線が街中に網の目のように張り巡らされており、市民の足として利用されています。
 また、電気自動車用の充電スタンドが他の都市より充実しており、他の都市より電気自動車が数多く走っているの特徴です。

 

生活

 新桜花市には市民の生活に必要な施設は一通りそろっています。
 普段の生活に必要なものは、南町にあるMeグループ傘下のショッピングモール『サクラモール』にいけば食品から衣料、生活雑貨まで大抵のものが揃います。Meグループ傘下だけあってサクラモールは革新的なシステムが導入されています。支払いはすべてディジタルウェブを利用した電子マネー、商品の運搬や駐車場の案内など、自動化・無人化も進んでおり、最近ではモール内のハンバーガーショップでSDの店員『ウェイトレスドロイド』も試験的に導入されました。ちなみに噂では店長の趣味でウェイトレスドロイドはすべて三つ編みおさげ&ソバカス娘とのこと。なお、去年完成したこのショッピングモールの影響で北町の駅前商店街は苦戦を強いられており、これも北町と南町の対立の原因のひとつとなっています。
 医療機関で最も規模が大きいのは南町にある新桜花総合病院。この病院では現在Meグループ社の協力のもと医療用SD『ナースドロイド』の試験運用を行っています。ちなみに噂では院長の趣味でナースドロイドはみんな眼鏡っ娘なんだとか。
 教育機関で特筆すべきなのは、郊外にある『新桜花大学』です。ここは言わば、Meグループ社の将来を担う幹部候補及び上級技術者を育成するのが主目的の教育機関で、経営はむろんMeグループ社が行っています。新桜花大学は入学するのはもちろんのこと、卒業するのも大変難しいとされています。また、卒業後はMeグループ社の幹部候補としての将来が約束されており、それゆえか在学者は並々ならぬエリート意識をもっています(中にはそうでもないお気楽な学生もいるようですが…)。
 桜花川の河川敷には新桜花公園があり、市民の憩いの場となっています。また遊ぶのであればサクラモールに隣接する『ブロッサムスクウェア』がお勧めです。ブロッサムスクウェアは映画館、クラブ、ゲームセンター、飲食店などがひとつのビルの中に入っている総合アミューズメント施設で、デートスポットとして近頃人気が高まっています。

 

マイクロエレクトロニクスグループ社

 世界各国に支社を持つ巨大多国籍企業。コンピュータのソフトウェア関連産業を中心に、重化学・建設・航空宇宙産業・造船・製薬・流通からファッション・フード・アミューズメント関連まで多岐に渡る分野に進出しており、世間では「Meの商品を目にしない日はない」とまで言われています。本社はニューヨーク、日本支社は新桜花市にあります。
 現在、Meグループ社では2つの大きなプロジェクトが動いています。ひとつは『先進ネットワーク研究実験都市建設プロジェクト』、すなわち新桜花市の建設・運営です。日本政府が音頭をとってスタートした計画でしたが、現在ではMeグループの最優先重要プロジェクトとなっており、事実上、計画は政府の手を離れている状態です。
 そしてもうひとつが、次世代の主力商品と期待されている自立型生活支援ユニット『サーバントドロイド』の開発プロジェクトです。SDの開発は日本支社の開発チームが中心となって進められており、現在、運用試験段階まで進んでいます。



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